世界と水

60億人を超した世界人口は、2025年には80億人に達すると見込まれています。この爆発的な人口増加に伴って増える水需要は、すでに1900年当時の約6倍になってます。さらに地球温暖化の進行も一因となり、いま世界中でさまざまな「水」問題が発生しています。

人口の急増、産業の著しい発展により、現在アジア・アフリカの31カ国が絶対的な水不足に悩んでいます。さらに水不足から深刻な食糧不足へと進行している地域が広がっています。

人口の急増、産業の著しい発展に対して、下水道等の整備が追いつかない途上国で、水質汚濁が大きな問題となっています。発生する病気の約80%が汚水によるものとされ、子どもたちが8秒に1人死亡しています。こうした衛生整備の遅れは、世界人口の約50%の人々に及んでいるといわれています。また淡水魚の20%にあたる種が、水汚染で絶滅の危機に瀕しています。

都市化による土地利用の変化や森林伐採が、洪水時の被害を拡大させています。また人口急増によって、氾濫の起きやすい地域に人々が居住せざるを得なくなり、洪水による被害がますます大きくなっています。

近年の主な洪水被害

年/月国名主な被害
1998/06中国長江中下流域で大洪水、被災人口2憶3千万人、死者3,004人
1999/09アメリカハリケーン「フロイド」による洪水、東部の州中心に被害、死者68人
1999/12ベネズエラ・
コロンビア
豪雨による大規模な土砂災害、3~5万人が死亡
2000/02モザンビーク・
南アフリカ
サイクロンによる豪雨でインド北東部を中心に洪水、数百万人に被害
2000/08インド・
バングラデシュ他
モンスーンによる豪雨でインド北東部を中心に洪水、数百万人に被害
2000/09カンボジア・
ベトナム・タイ
熱帯低気圧の大雨でメコン川流域の広い範囲で洪水発生、死者230人
2000/09日本・韓国台風・前線による大雨で東海地方中心に被害。日本の被害約8,500億円(国土交通省発表)
2000/11イギリス・
アイルランド
1947年の大洪水に匹敵、41河川で洪水警報、死者17人
2001/03モザンビーク他ザンベジ川で大洪水、約4万人が避難。モザンビークでは2年連続して大洪水発生

人口増加による生活用水の取水、産業発展に伴う取水、灌漑などのため、世界各地で大小の河川や地下水が渇水しています。中国では黄河の総流水量が40年間で半減、山西省の地下水位は年平均1.5メートルも低下。中央アジアのアラル海地域のアムダリア川とシルダリア川の水量は、40年間で60%以上も減少します。

増大する水需要に対応しようと過剰な地下水の汲み上げがなされ、地下水位の低下や地盤沈下が世界各地で発生しています。また人間のさまざまな活動が水質に影響を与えています。

地球温暖化は雨の振り方にも影響を与えており、地域的な分布が変化したり降雨量や降雨の強さにも影響を与えるといわれており、洪水や渇水による被害を拡大させ、また頻繁化させる可能性があります。


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